食彩譚(3)

ビッグマン

連想ゲームです。「ビッグマン」といったら何をイメージしますか?

東京出身のにわか関西人であるわたしの頭の中には、関西人であれば誰もが連想するものが一切浮かんできませんでした。大阪の「ビッグマン」は、東京の「忠犬ハチ公」なんです。大阪の中心地である梅田は、JR線、阪急電鉄、阪神電鉄、地下鉄の乗り入れる近畿圏の玄関口です。阪急梅田駅の中央改札を出ると、広いコンコースがあり、その一角に大型の液晶テレビが設置してあります。様々な広告が放映されているのですが、このテレビの名前が「ビッグマン」なのです。転勤で大阪にやってきたばかり頃、「梅田の待ち合せ場所の定番といえばビッグマンです」といわれても、何のことだかさっぱりわかりませんでした。

同じゲームを北海道でするとどうなるか。北海道で「ビッグマン」といえば、合同酒精製造の甲類焼酎「ビッグマン」を100人中100人が連想するというから驚きです。昨年一年間にスーパーマーケットで販売されたアルコール飲料の全国ランキングのトップ10をみると、5位に芋焼酎(黒霧島 1.8ℓ)、8位に麦焼酎(いいちこ1.8ℓ)と焼酎が2銘柄入りましたが、この他はすべてビールなんです。これを北海道、東北、首都圏、北関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州の10地区に分けて比較すると、北海道以外は、全国と同じように圧倒的にビールが上位を独占し、似たような顔ぶれの商品が出そろいます。ところが北海道は本場のサッポロビールと思いきや、一番売れているアルコール飲料は「ビッグマン」でした。しかも大きさは4ℓと大容量。北海道では上位20位の中に4つの銘柄の焼酎が入っているのですが、1位のビッグマンだけでなく4つとも4ℓと大容量でした。

「北海道の家庭ならどこでも、ごく普通にポンプ式の4ℓの甲類焼酎が常備してありますよ」。根っから道産子の知人は説明してくれましたが、なかなか信じられませんでした。

3月15日、出張で初めて函館に行く機会がありました。初日の仕事を終えてホテルにチェックインしたあと、「ビッグマン」の真偽を確認したくて近所を散策。スーパーマーケットが見当たらなかったのでコンビニに入ってみました。まさかコンビニにはないだろうと思っていたのですが、酒コーナーの一番下段に別の銘柄の4リットルの甲類焼酎が置いてあったのです。まさに百聞は一見にしかず。北海道はいろいろな意味で本当にデカかった。

2018/03/23 JR函館駅前にて