母校の校歌

ただしき教えまっすぐに こころにまいた種子の名は
その名も 古間木(ふるまき)小学校

(青森・三沢市立古間木小学校校歌/作詞・寺山修司)

3月と4月、卒業式、入学式で賑やかなになる季節です。全国の学校で校歌が高らかに歌われます。もしも自分の通った学校の校歌が有名な作家の作品だったら一生の思い出ですね。

ところが校歌をめぐる悲劇もあります。高校時代の同級生の自慢のひとつが小学校の校歌でした。田無(たなし)市立西原小学校校歌(現・西東京市)。「作詞は谷川俊太郎だったんだよ」と彼は懐かしそうに話しました。うらやましかったですね。

教室は宇宙船 どこへだってゆける
けやきのこずえに つづくあおぞら
大きなゆめをもとう 西原のぼくとわたし

さらに、隣接する西原第二小学校も谷川俊太郎の作詞。作曲はわたしの好きな作曲家・林光だったというから驚き。

けやきの はかげの ふるいみち
みちはむかしへ つづいてる
わらいながら おこりながら
いろんなひとの ふんだみち
ひとあし ひとあし あるいてゆこう

実は、この2校とも、17年前に取り壊されました。東京都内も児童数の減少が続いています。2校は統合され「けやき小学校」と改名。新校舎と新校歌の誕生で、谷川俊太郎作詞の2つの校歌がこの世から消えてしまったそうです。

教室は小さな国 なんだってできる
ひとりとひとりが 力合わせて
正しい世界めざす 西原のぼくとわたし

最後の卒業生はもう28歳なんですね。大人になった「ぼくとわたし」の目に今のこの「小さな国」は、どう映っているのでしょうか。

私には忘れてしまったものが一杯ある。
だが、私はそれらを「捨てて来た」のでは決してない。
忘れることもまた、愛することだという気がするのである。
・・・・・寺山修司「ポケットに名言を」

(2018/03/02)